「ゴルフ原論」~古典的技術紹介~(1)
ゴルフショットの基幹とも言える技術解析は、大昔の白黒フィルム時代にほぼ終わっています。ゴルファーが打球を思い通りにコントロールする為に必要な物理的解明も、その時代で終わっているので、それらは古典的なゴルフ技術と呼べます。
数学の世界で「原論」と呼ばれる分野に似てます。このブログではそれら古典的ゴルフ理論を「ゴルフ原論」と呼んで、他の技術と仕分けして少しずつ紹介していきたいと思います。
これら古典的、あるいは入門編とも呼べる「ゴルフ原論」ですが、著者独特の解釈(味付け)によって、経験豊富なゴルファーにとっては「目から鱗の発見」を、初心者やゴルフ経験がない方には「そのまま役立つ知識」をもたらすでしょう。
論より証拠、さっそく「ゴルフ原論」の説明を始めたいと思います。
第一回目からいきなりですが、応用編とも言える「インテンショナル・ショット」の技術を紹介します。
いきなりコントロール・ショットによる「ボールの弾道を曲げる技術」を紹介するというのは、ちょっと初心者向きでないように思えるでしょうけど、何事も始めてみないことには分かりません。
感想は読んだ後にお持ち下さいませ!(笑)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボールの軌道を曲げる技術は原論的なゴルフ技術の分野だと言えます。
その基本中の基本に立ち返るのに便利なフォーマットを作成しました。
今回はそのフォーマットの使い方の説明と共に、ボールを曲げる技術を紹介しようと思います。作成したフォーマットは下の図です。
※この図はA4サイズにプリントアウトすれば、そのまま使えます。
このフォーマットの使い方ですが、まず真っ直ぐの弾道から説明します。
グリーンに塗られた長方形の帯がストレートの弾道を打つための軌道です。
「グリーンの長方形」の縦軸は、ゴルフクラブのフェイスにある「スコアライン」と呼ばれるエッジ部分を直角(スクエア)に合わせます。これを専門的に「クラブヘッドをスクエアに合わせる」などと言うことがあります。
どんなに物理学に疎い方でも、クラブヘッドのスコアラインをスクエアに合わせる事が重要だと、直感的に分かるのではないでしょうか?(その直感は正しい訳です)
フォーマット図の中央にある「大きな円」はボールの置き場所です。その大きな円の右側に「小さな白色の点」がありますが、それがクラブヘッドとボールが接触するインパクト地点という事になります。(これも直感的に理解できると思います)
つまり、次の写真のように使う訳です。
このフォーマット図は(A4サイズにプリントアウトしてから)上の写真のように地面に敷いて、その上にボールとクラブヘッドを置いて使用します。
何となく分かったと思うので、次に進みます。
(白黒フィルム時代の)古典的なゴルフ技術の解析によって、スクエアに合わせたクラブヘッドをグリーンの帯に沿うように「直線的に」動かしてボールに当てれば「ストレートの弾道」が得られることが分かったのです。
これは純粋に物理的な解析によるものですが、多くの人にとっても直感的に正しいものと感じられる筈です。これは時代が経過した現代は勿論、この先の未来も永久に変わることのない「不変の定理」だと言えます。
上級者ともなると(グリーンの帯の)ストレート軌道だけでなく、ゴルファー自身の意思によって計算通りに弾道を曲げる高等技術を会得し始めようとするものです。
高等技術と言っても、物理的な解析としては簡単な理屈です。
ゴルフで弾道を曲げるコントロールのことを「インテンショナル」と呼びます。ボールを左側に曲げることを「インテンショナル・フック」、右側に曲げるのを「インテンショナル・スライス」と呼びます。
まずは初心者ゴルファーが真っ先に憧れる、ボールを左側へとカーブさせる「インテンショナル・フック」のコントロール・ショットから紹介します。
この「ブルーの平行四辺形」の帯がインテンショナル・フックの軌道です。
インテンショナル・フック(あるいはドロー)と呼ぶボールを左側に曲げるコントロール・ショットは、多くのゴルファーに「インサイド・アウト」と呼ぶスイング軌道が必要だと言われてきました。
でも、インサイド・アウトの呼び名には注意が必要です。
往々にしてインテンショナル・ショットが難しいと思われている理由(原因)は、コントロールすべきクラブヘッド軌道がただ単に内から外へと向う角度(インサイドアウト軌道)にするだけでなく、もっと厳密に「クラブヘッドの軌道ラインとフェイスのスコアラインとの関係が平行四辺形になる」ようにコントロールする困難さに由来します。
道具を平行四辺形に動かすってどういうことでしょう?(ちっとも簡単じゃない!)
ええ。ゴルフはとても難しい競技です。ですから温故知新、基本をおろそかにするなかれ。何事もまず古典から学び直すべし、です。
だから「ゴルフ原論」の紹介が必要だと著者は思ったのです。
(続く)