「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

「ゴルフ原論」~古典的技術紹介~(10)

前回の「スランプ」についての続きです。


このブログで上級者に限定した「スランプ」の原因と処方箋についてこれから話をするのですが、とても奇妙なことに、このスランプの原因と処方箋はたったひとつに集約されてしまうのです。


もちろんゴルフにおける「スランプ」の症状は人それぞれで、多肢に渡る筈です。


例えば、あるゴルファーはターゲットに対して右を向きやすいという症状から様々なミスショットに至るスランプの傾向があるのかもしれません。あるゴルファーはパットがよく分からなくなって、長いスランプ期に突入しているかもしれません。又あるゴルファーは、あらゆるショットをキトンと打てて、傍からみると良い打球が出ているように映るのですが、何処か釈然としない様子で、如実に悪い平均スコアとして現れてしまう「典型的なスランプ」の真っ只中に居るのかもしれません。


症状が悪化すると、イップスのようにパットやアプローチ、あるいはバンカーショットだけといった特定のショットに症状が現れる特異なケースもありますが、それらもスランプのひとつに数えられるでしょう。


これもよく聞くケースですが、年を取って目が悪くなり、スランプに陥る場合があります。老眼や乱視などがゴルフに悪影響を及ぼすことはよく知られていますが、一見するとこのスランプはその目の症状を治さない限り、永遠に脱することができない印象があるかもしれません。


ですが、例えば盲目のゴルファーが(色々と人に補佐された上で)ゴルフスイングをしたと仮定すると、彼等が似た症状になっているのかを確認する必要があります。というのは、目が悪いことが必ずしもスランプの直接的な原因であるとは限らないからです。


実際にプロゴルファーの多くは目隠しても十分なゴルフスイングが出来て、かなり良いショットが打ててしまう筈なのです。逆に初心者は、たとえ目が健康で十二分に見えていたって、ボールをマトモに打つことが出来ませんよね?


つまり、目の悪さはスランプの直接的な原因ではない可能性もあるのですが、とにかく目が悪くなってスランプに陥ったゴルファーは「自分は目が悪くなって駄目になった」と思い込んでしまう、という事なのですね。


こういった誤解しやすいスランプの原因の第一は何と言っても「練習不足」です。


この「練習不足」を原因と決め込んでしまうと、真の原因はなかなか見えてこなくなる筈です。確かにあらゆるミスの処方箋として「練習すること」は万能薬のような効果を期待できる訳ですが、現実的にそういったゴルファーはただ長時間練習するだけで「自動的にスランプから抜け出せる」という事では無い筈なのですね。


おそらく、スランプ期のゴルファーは長時間練習場で黙々と研究し、それなりの処方箋を発見できて、長いスランプ期から脱出するという話なのだと。つまり、それなりの処方箋が施され、ようやくスランプから抜け出せるという筋が本当のところなのですね。


――――――――――――――


それでは、これら多肢に渡るスランプの諸症状を、どのような理路で解析し、たったひとつの「原因」と「処方箋」として脱出の路を見出すのかという話に移ります。


このブログで紹介するスランプの原因は「ワッグルが無いこと」です。


(ワッグルについては前々回のゴルフ原論(8)で説明しましたが)これについては、少し補足が必要です。


もっとも分かりやすい説明をすると、パットの話になります。具体的に思い出して欲しいのですが、パットをする前にパターをワッグルする事はあるでしょうか?


プロアマ問わず、パットをする前にパターをワッグルするゴルファーは殆どいないのが現状だと私は感じています。そして、パットに纏わる殆どの不調(スランプ)は、打つ前にパターをワッグルしない事から引き起こされている症状であると、考えている訳です。


パターでワッグルはしないけど、素振りはする、というゴルファーは大勢いるかもしれませんが、それでは駄目です。もしパットの素振りをするにしても、その素振りをする前にパターをワッグルしなければ、意味がないからです。


つまり殆どのゴルファーは、パットの素振りをする前、あるいは実際に打つためにパターを動かす前に、「ワッグルをする」という所作が抜けてしまっていると言える訳です。


このブログで私があらゆる「スランプ」の真の原因は「打つ前にワッグルが抜けている」ことであると言いたい訳です。よってその処方箋もそのまま単純に「ワッグルをする」というひとつの方法に集約されてしまうのです。


この理路はとても理解しにくいものでしょう。


喩えてみると、社会問題ともいえる高血圧や糖尿病などの「成人病」が、現代人の典型的な生活環境ともいえる「食べ過ぎ」と「運動不足」に起因されていることに集約されてしまう話と少し似ています。(分かりにくい比喩ですよね?笑)


この話はまだまだ長くなりそうなので、次回に引き伸ばそうと思います。(続く)

×

非ログインユーザーとして返信する