ゴルフ語り(14)
先日にUPした「ゴルフショットの方向あわせ(3)」の中で、ゴルフにおける方向取りの感覚で「重力方向を察知する感覚」が、現代人の生活環境において著しく鈍化しているといった、問題定義を投げかける形となりました。
今回はその話のスピンオフ的な話で、参照して頂きたい動画を紹介しようと思います。
とにかくその動画を見て頂きましょう。
打ちっ放し初挑戦!
【ゴルフ4日目】新しいアイテムで早めに上達を目指す!
初めて夜の練習場に行ってみた
この動画は、スノーボードのハーフパイプ競技でオリンピック強化選手にも選ばれているプロスノーボーダーの内山ミエさんが、自ら動画編集まで自作されているユーチューブ・チャンネルの「プロスノーボーダー内山ミエの山から降りればただの人?!」です。
この動画は、女一人だけでゴルフを始めようという、(ゴルフ経験者からすれば)かなり無茶ブリな感じのチャレンジ企画です。
ゴルフはまったくの素人である女性がたった1人だけで、ゴルフクラブの購入から、ネットで調べた知識だけを頼りに独学でスイング技能を習得する練習の光景や、シュミレーションゴルフ、ショートコースデビューなどの姿を、失敗を繰り返すドタバタ劇として、ほのぼの楽しませてくれる動画になっています。
ゴルフでは打球の方向を上手くコントロールできないことに悩むパターンがとても多いのですが(注意:悩むのが普通です)、そういった方向感覚の問題が生じる真の原因として、今私が注目しているのが「重力方向を察知する感覚」です。
内ミエさん以外にも、様々なスポーツ分野で運動神経を鍛えてきたアスリートタイプの方々がゴルフにチャレンジしているのですが、何故か共通して「ゴルフの方向性」についての悩みだけが残ってしまうのです。
その原因について、私はひとつの仮説を打ち立てています。
それはゴルフの方向性に悩むケースが散見されやすいスポーツ経験者は「水平に整備されている床(バレーボール・バスケットボール・卓球等)や地面(野球・サッカー・テニス等)で行うタイプのスポーツ経験者である、という仮説です。
つまり、よく整備されている「水平の床や地面」の上で行うスポーツでは、「重力の方向性を察知する感覚」が鍛えられない可能性がある、という訳です。
もちろん「綱渡り」のような曲芸される方が「重力方向を察知する能力」が高いことは間違いありませんが、「綱渡り」はマイナーであまり参考になりません。メジャーなスポーツ競技の中で考えてみると、スキーやスノーボードなどの「傾斜地」の上で高度なバランスを必要とする競技スタイルの中なら、この重力方向の感覚が鍛えられているかもしれないと、考えたのです。
そこで内山ミエさんがハーフパイプというスノーボードの競技をされている動画を観て欲しいのです。
すごいですよね?
この動画を見ると、半分に切り取った半円形の形の中で滑っているように見えますが、パイプの形状だけでは、これだけの競技をする為に必要な速度を維持することはできないそうです。つまり動画では分かりにくいですが、実はこのハーフパイプ自体が傾いていて、流しそうめんのように、半分に割った竹を傾けて、水が下に流れ落ちるような角度が付けられているという訳です。
傾斜している半円形のパイプの中を、交互にターンしながらジャンプを織り交ぜ、スノーボードごと回転して着地するという、ちょっと想像もできないような競技をしているのが、彼女の本職という訳です。
このような超人的な競技をされる内山ミエさんが、今回私が着目している「重力方向を察知する感覚」を鋭く鍛え抜いていることは、疑う余地のない事実であると断言しても構わないと思います。
私は彼女のチャレンジ企画をずっと見てきたのですが、やはり彼女のゴルフの戦跡は信じがたいものとなりましたね。
彼女はゴルフ練習に行く度に動画を撮影してチャンネルにUPされていたので、彼女が本コースデビューをするまでに経験した練習等の回数は次のようなものと調べることが出来ました。
・ゴルフ練習場に通った回数10回程度(内プロのレッスンを2回程度受けている)。
※1回の練習で30~50球程度しか打っていませんから、合計しても500球ほど??
・シュミレーションゴルフ3回。
・ショートコース1回。
たったこれだけで、本コースデビューです(ありえんわーー笑)。そして彼女はユーチューバー同士で開催されたゴルフコンペに参加して、そこでゴルフフルラウンドを初めて経験されたのですが、
なんとそこで出た彼女の成績はスコア100!!!!
・・・・凄すぎます。
女性がたった一人で、やり方をちょっとネットで調べて、レッスンを2回受けた程度の、つまりほぼ完全な独学と言っても過言ではない非力な女性ゴルファーが、特に飛距離が出るタイプでもないようなゴルフスタイルで、デビュー戦スコアを100です。
これは本当にありえない結果です。平均的な女性ゴルファーのデビュー戦は、スコア130でもマシな位で、120でかなり上手い方です。中には150以上叩く女性だって沢山いますが、それで普通なのです。
つまり男性ゴルファーなら、ちょっと練習場に通っただけで、デビュー戦でいきなり90を切ったような、信じがたいレベルの話なのですね。
ゴルフのポイントは「重力方向を察知する感覚」を鍛えぬくことです。内山ミエさんの結果を見て、私はその考えに確信が持てました。
最後にもうひとつだけリンクしておきます。
最後の動画では、内山ミエさんがゴルフ練習をする前に行っている独特の準備体操をされる姿があるので、必見です。この準備体操をするシーンを見ただけで、彼女の身体感覚の鋭さを見抜くことができる人は一体何人いるのでしょう?(つまりこれも凄いのです!)