「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

このブログにおけるゴルフスイングの定義(3)

(前の続き)
ゴルフスイングの技術は、幾つかの要素に振り分けて考え進めなければならない。第一の要素として、ゴルファーがゴルフクラブを動かす「動力源」が何かを解明しなければならないと著者は考えている。


前回の話で、長い棒状のものを動かすという点で、野球とゴルフは同じ動力的な原理が働いているだろうという「一般的な解釈」があるものと推定し、その一般論が間違いであることを指摘した。


野球とゴルフは共に長い棒状のものを扱うという点と、比較的小さなボールを打撃し、遠くに飛ばそうとする点で、外見上とてもよく似た運動に見えてしまうのだが、著者はこの2つのスイングが「根本的に違う運動原理」によって支えられていると断定した訳である。


結論から先に言うと、野球は「打撃運動」であり、ゴルフスイングは「波動」である。つまり、この二つは全く違う原理で動いていたのである。


(一体なんのことがチンプンカンプンであろうから、説明を続ける。)


「打撃運動」とはボクシングのパンチや防御などと同じで、人の生理的な「反応」によって生じる「自然な運動体系」のひとつであると考えられる。この手の技術解析では「体重移動」などの言葉が飛び交う、身体感覚を中心とした運動理論を展開させる傾向が強いという特徴がある。


体重移動を例にすれば、人は一歩前に踏み込むことで、(人の身体は)生理的にバランスを保とうとする反応が生じて、体全体が特殊な運動状態へと転化する。人はその生理的な反応の連続によって、歩いたり走ったりしている訳だ。だからこれらの生理反応は、人が進化の過程で身体に備えた先天的なものであると推測される(※人が歩く動作を学習できるのは、そもそも歩ける体と能力を進化の過程で獲得しているからである)。


そして多くのスポーツでは、これら「先天的な生理反応」によって生じる運動能力を巧みに利用して、必要な動きを行えるように技術を発展させてきたという訳である。


現代のプロ野球選手も、これら先天的に生じる生理反応を巧みに利用し、あの長く重たいバットを効率的に動かせるスイング技術を完成させていると考えられる。故に野球のバッティング理論の説明で「体重移動」などといった、歩くときに生じる先天的な生理反応を利用する用語が頻繁に使われていると解釈できる。


人の身体構造は複雑なので、歩く際の体重移動のような運動現象を詳細に解析しようとしたら、分厚い辞書みたいな情報量に匹敵する研究課題になってしまうだろう。このブログではその手の専門家が扱うような情報の解析を進めるつもりは毛頭ない。だからこういった運動原理を考える上で、単純なモデルに置き換える必要が出てくるのである。


そこで著者は、この野球のバッティング動作などを単純化させたモデルとして「投石器」を採用しようと考えた。


「投石器」が一体どのようなものかについては、まず次の動画を参照してもらうのが早道だろう。



投石機を物理エンジンで再現してみた Trebuchet - Physics Engine



この動画を見れば想像できると思うが、投石器は戦争で使われた破壊兵器である。あのような特殊な機械によって重たい石を遠距離に放り投げて、城を破壊したり、兵隊へ打撃を与える訳だ。火薬を使った大砲が発明されるまでは、重力を利用した「投石器」のような兵器が主流だったのだろう。


この投石器の動画を見ると、どこかしらゴルフスイングと似ている感じがする筈だ。人によっては「この投石器こそゴルフスイングの本質である」と早合点してしまうかもしれない。


著者もこの投石器がゴルフスイングの本質ではないかと研究をした時期もあったが、最終的に「投石器とゴルフスイングは別の運動原理である」という結論に達した。


もちろんゴルファーが投石器のようにゴルフクラブをスイングすることは十分可能である。だがそれは、ゴルフ競技で通用しない性質のスイングとなるであろう、という結論に達した訳だ。


またまた人のスイング動画を勝手に参照させて貰うのだが、次の動画は「投石器タイプのゴルフスイング」の例として、最も分かりやすいモデルとして、著者が最近見つけたものである。



20160707_ゴルフ打ちっぱなし_ドライバー



この「投石器タイプ」の運動原理は、大男が巨大なハンマーを振り下ろして地面に杭を打ち付けるシーンをイメージして貰えれば分かりやすいだろう。あるいは固い地面を掘り起こす作業で、大男が鉄のクワを大きく振り下ろす姿を想像してもらっても良いだろう。


この動画のゴルフスイングと共通した何らかの原理があるように感じられるのではないだろうか?


これらについて言えることは、棒状の重い道具を両手で振り下ろす際に、投石器と同じ運動原理が含まれている点である。だからこれらを「投石器モデル」と著者は名付けた訳だが、一体これの何処がゴルフスイングとして不適格で、野球のバッティングとして主流になっていると言えるのだろうか?


大きな違いとして、「投石器モデル」の方で使われる棒状の道具が大変に重たい物である点が挙げられるだろう。とても重たい棒状の道具を思いっきり振ろうとしたら、投石器的な動きが自然に発生するという訳である。


棒状の道具の「重さ」は重要なポイントである。


仮に野球のバットが釣竿のように軽くてよくしなる材質なら、バッターは全く違う原理でバットを動かそうとするに違いないからだ。察しの良い方なら、この釣竿のような動きこそが「波動」と著者が勝手に名付けた、ゴルフスイングの本質的な運動原理であると理解してしまうに違いない。


今回はかなり長く、情報量も多くなったので、ここまでにしたいと思う。


(続く)


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