「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

いきなり始まるゴルフスイング(8)

(前の続き)
前回著者が宣言した内容は、ある意味ゴルフ界において革命的な発言である。


ゴルフクラブをどのような軌道でスイングするのが良いのかを、「物理的な視点」で最初に解明したのは、それはもうかなり大昔の事である。どれぐらい過去に遡るのかは、著者も詳しく知らない(知りたい人はググッてくれたまえ)。


少なくとも白黒の映画フィルムの時代に、ゴルフの基本的なコントロール技術における物理的な解明は終わっていたと著者は理解している(注意:間違っているかもしれない)。


といっても、このブログを見ているゴルファーの中に、まだその物理的な内容をよくご存知ない方だっているかもしれない。よってこのブログでは、ごく簡単にその物理的な理論についての説明をしておこうと思う。


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物理的な意味でのゴルフ技術の解明は、それが終わった白黒フィルムの時代から基本的には変わっている訳ではない。


物理の法則はこの宇宙が始まった時からずっと存在しているものであり、人類の文明レベルや現代のハイテク化などとも無関係に、それは絶対的な存在であるからだ。


とりあえずボールを真直ぐに飛ばす物理的な条件から説明しよう。


【①スイートスポットで打つ】
ゴルフクラブには「スイートスポット」と呼ばれる打撃ポイントが存在する。物理的には重心の位置と関係が深いものだが、現代のゴルフクラブ設計はハイテク化が進んで、設計者がパソコンの中で理想的な弾道を得られる重心位置を、かなり自由にデザインすることが可能になっている様子だ。


素材革命との両輪でハイテク化されたゴルフクラブの設計は、スイートスポットの広さをひたすら拡大し続けてきた歴史とも重なる。だが、どの時代のハイテクゴルフクラブであっても共通して存在しているのが、スイートスポットである。


そして物理的に解明された(真直ぐに打つ)条件として、ゴルファーはショットを打つ際、その「スイートスポット」でボールを当てようとしなければならないことが第一に挙げられる。


ゴルファーが上手にスイングし、ボールをスイートスポットに当てるようにコントロールできれば、ボールは(設計者が想定した通りの)理想的な弾道で前に飛び出すだろう。


だが、もしそのスイートスポットを外した場合は、直ちにミスショットへと変わってしまう危険性があるのがゴルフ競技の宿命である。このナイスショットとミスショットを分ける具体的な違いは、ボールが当たる打点がスイートスポットからわずか2cm足らずの誤差が生じただけに過ぎないのであるから、ゴルフ競技はとてもシビアだとも言えるだろう。


そしてスイートスポットで打つことは、あらゆるゴルファーにとって最重要な課題であることは間違いないと断言できる。


ただし(断言した直後に否定する意味になるが)、スイートスポットを外した場合、直ちにミスショットになってゴルフ競技が成立しなくなる程、ゴルフスイングが正確である必要はない。


特にスイートスポットに関わる「打点の精度」について拘ると、このブログの趣旨である「練習ナシ」の名目から外れてしまうことにもなるので、著者としてはそれを避けたい方針なのだ(笑)。


そして、実際の素人ゴルファーの多くは、たとえ上級者であっても、スイートスポットを「安定して外している」という解釈が妥当なのである。


何故なら、スイートスポットをある程度外しても、弾道はそれなりに理想的な軌道を描いて飛んでいくからだ(発達したゴルフクラブの高い性能のお陰でもあるだろう)。故に外し方が安定しているなら、パワーロスした分を差し引いた残り飛距離も安定し、ゴルファーはそれなりに思い通りのゴルフを展開できる訳だ。


おおよそ素人ゴルファーの9割9分は「真のスイートスポット」を外したショットで安定していると思い込んでいる訳だが、それでスコアが十分にまとまるのなら十分だし、まして「月1ゴルファー」なら御の字の大成果である。胸を張ってルンルンで家に帰れる結果だと言えよう。


むしろ、時折スポットに当って飛距離がむやみに出てしまうが故に、飛距離がバラバラになってしまう方が遥かに使えないのである。(本当に)


よって、このブログの趣旨からしても、スイートスポットについて必要以上に拘ることは、弊害ばかりが目立って理が少ないものと著者は見なす。


専用のハイテク計測器を使えば、現代のゴルファーは自分のスイングにおけるインパクトの状態を数値化して詳しく知ることもできる。だが、その数値が良くなるようにスイングを改善し、将来的に良い結果を出せるように努力するといった方針は、このブログの趣旨である「月1ゴルファーが練習なしでも十分にこなせる」といった内容と決して合致しない。


【結論】
著者は「インパクトの精度」を必要以上に拘ることを推奨しない。


もし素人ゴルファーがゴルフをより上手くなりたいと願い、経済的・時間的な投資をできるだけ費やす覚悟があるというなら、ハイテク計測器などを使ってより質の高いスイングを求める改造も夢ではないだろう(推奨はしないが、止めもしない)。


だが、もし素人ゴルファーがそれらの投資を十二分にできない状況で、むしろゴルフへの投資を減らさねばならない状況にあるにも関わらず、それでも科学的に進歩した「正しい練習方法」だと判断し、ハイテク計測器を使ってのスイング改造を目論むというのなら、著者はその判断を「ミスジャッジ」であると指摘することになる。


より少ない投資でゴルフをそれなりにプレイしたいのなら、精度の高いインパクトを達成する夢などは見ずに、(実際は)多少スイートスポットを外しても、現実的に安定化されたスイングを目指す方針で練習する方が正しい選択なのである。


ただし注意して頂きたい。月1ゴルファーなどは(正直に)スイートスポットを外そうとしてスイングする必要がある、と言っている訳ではない。そこは誤解しないようにして注意して頂きたいのだ。


あらゆるゴルファーはより正確なインパクトだけを目指して努力するのだが、(我々が)正確なインパクトだと思う結果のほぼ全てが「飛距離をロスしている」という現実があるという解釈を、前向きに受け入れるだけである。(著者が提言していることは)


著者はそれらの現実的なロスを、素人ゴルファーがむやみに気にして修正しようとすべきではないと指摘しているだけである。


現在の最先端のハイテクは、ゴルファーのスイング軌道がどの程度のブレがあるのかもかなりの精度で計測できてしまう様子だが、問題はその計測されたブレは、優れたスコアを安定して出すことの出来るアマチュアのみならず、プロゴルファーにも「ある」という事である。


もしこれらのハイテク計測器の結果を信じ、むやみにスイング改造行えば弊害が出る恐れの方が高いだろう。たとえ賞金王を狙えるレベルのプロでも、その改造でスランプに陥る危険性があるのだ。だから著者は、それらハイテク機器を決して推奨しない立場を取るのだ。



さて、この「スイートスポット」であるが、ゴルファーはそこにボールを当てさえすればゴルフ競技が成立するのかというと、残念ながらそれは違うのだと断言できる。むしろゴルフ競技で重要なのは、よりスイートスポットに近い位置でボールを当てる努力よりも、次の用件を満たすることの方が遥かに重要であると言えよう。


その用件については(ゴルフの基本的なことだが)、次回に話をしたいと思う。
(続く)

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