「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

いきなり始まるゴルフスイング(16)

(前の続き)
一般的にゴルフや野球などで「軸」と言うと、「背骨」の事だと思って間違いないだろう。


「背骨」は人体にとって「大黒柱」のように、全体構造の中心的な役割を果たしているから、ゴルフスイングにおいても重要な役割を果たしていると考えられている。近代ゴルフはこの「背骨」の扱い方を中心に発展を遂げた技術史であるとも言い換えられるだろう。


例えば、とあるゴルファーが「今日は調子がイマイチ!」と愚痴ったとしたら、彼は背骨を中心にした「軸」がブレて、スイング全体が微妙に歪んでしまう状態であると(彼自身が)自覚していると思ったら良いだろう。


逆に多少スイングの枝葉の部分がブレていても、「スイング軸」さえしっかりしていれば、ゴルファーはそれほど慌てなくても済む状況であるとも言える。


だから昔からあらゆるゴルファーは、「スイング軸」を安定させる為に様々な努力をし続けてきた訳である。


近年「体幹」をトレーニングして鍛えるといった言葉をよく耳にするが、こういった「体幹」などの目新しい単語も「軸」を安定させる筋トレの話をしているに過ぎない。


ようは筋力アップのトレーニングだから、昔から野球で「走り込み」や「基礎練」が大事だといった古典的なスポーツ文化と一緒で、目新しい単語でも技術的に本質的な発見か何かがある訳ではない。(残念ながら)


何故著者がそのように断言してしまうのかと言うと、これらの筋トレが実際に「スイング軸」を安定させる努力であると根拠にできるだけの実態が、あまりにも乏しいからである。


筋トレ理論が破綻している証明は簡単だ。基礎体力的に優れたアスリートであるプロ野球選手でも、ゴルフをすれば「空振り」を含むあらゆるミスショットのオンパレードである。その事実を鑑みるだけで、筋トレ論の破綻は十分に示されていると言っても良い。


逆に70歳近い筋力の低下した老人ゴルファーでも、「軸」が安定してショットが使用に耐えうるものになっている例は、幾らでも目にする機会がある。


これらの現実的な反証例によって、著者はゴルフを上手くなる為の「筋トレ技術論」が全体的に破綻しているものと断言しようという訳だ。(大胆である)


そして著者は、次のように「スイング軸」を定義しようと考えている。


「軸を安定させる本質的な要素は、筋力トレーニングによって担保されない。」


筋力やトレーニングによって上手くなれないと著者が断言すると、ゴルフ競技における「スイング軸」をどのように定義するのかという疑問が次に湧くと思われる。


先に人体における「背骨」を「大黒柱」であると書いたが、仮にその大黒柱が基礎の土台から斜め横にズレて立っていたとしたら、その建物はちょっとした地震でも倒壊する危険があるかもしれない。ミスショットしやすいゴルファーのスイングとは、ちょうど大黒柱が歪んで倒壊しやすい建物のような状態になっているものだと解釈できる訳だ。


事実、ミスショットしやすい不調なゴルファーに「片足立ち」をさせてみると、大抵の場合、長時間バランスを保っていられない不安定な状態である筈だ。逆に調子が良いゴルファーが試せば、軒並みバランス良く安定し、何分でも楽に立っていられる筈である。


これはあらゆる競技にも言えることかもしれないが、人は毎日「三半規管」の調子がバラついて、故に身体の調子も日によって様々ある。


三半規管が全うに機能せず、バランスが崩れて調子が悪い様子なのに、ハードな筋トレをしても、その調子が回復する訳がないのは当然である。それは明らかにミス・ジャッジであり、そのように効果が出ない無意味なトレーニングをし続けるゴルファーは、調子の回復とは無縁で、悩む期間がドンドン長くなるに違いない。(とても厳しい指摘である)


軸どころか、飛距離アップでさえ筋力トレーニングの効果は疑問視されているというのに、スイング軸のブレを直す効果を期待して「体幹トレーニング」とかをし続ける努力は、本質的に無意味で効果が出ないは当然で、


だから、まず先にその間違いを「論理的に」判断できなくてはダメだと著者は厳しく指摘したいとも思っているのだ。


それでは、その「三半規管」を機能させる為に有効なメソッドを次に紹介したい。


「三半規管を全うに機能させるメソッドは、(自分の身体ではなく)自分の外部にあるものを精密に把握する行為によって担保される。」



上記のメソッドを具体的に示すと、次の一行に集約される。


・「まず最初に(何よりも先に)ボールが置かれている地面の傾斜を観察しなさい。」


このブログを最初から読んで頂いている読者が居たとすれば、この一行に見覚えがあるだろう。


「傾斜」とは、その地面が水平ではない状態を示す言葉である。


人が傾斜している地面の角度を精密に観察しようとすると、三半規管は全うにその機能を活性化させ、働き始める。


何故なら、「傾斜」とは、地球の引力に対して地面がどのような角度なのかを探る行為に他ならないからだ。すなわち「引力」を精密に感じ取ろうとするそれらの努力行為によって、三半規管は全うに働き始めて、機能がフルに発揮される状態に近付くのである。


著者の定義する「軸」とは、そのような心身の状態を意味する。


このメソッドは、もう少し具体的な説明の補足を必要とするが、その話は次回に持ち越したいと思う。(続く)

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