「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

ゴルフショットの方向あわせ(9)

(前の続き)
本格的なデッサンの授業では、焼き鳥の串ぐらいの大きさの針金のような道具を渡され、その使い方を教わることから始まる。


棒の名称だが、著者がデッサンの授業を受けたのが30年も太古の昔なので、今ではすっかり忘れた。そこでググッて調べてみると、(次に紹介するリンク先で)「はかり棒」という呼び名だったことが判明した。


※はかり棒の参照リンク先→



この「はかり棒」とかいう針金の使い方もリンク先のサイトにある通り、とてもオーソドックスに単純なもので拍子抜けしそうだが、こんな道具を使う意味をよく考えてみると、以外に深い話へと繋がるので、侮れない。


例えば、目の前にあるPCモニター画面を描こうとすると、形は横長の長方形と超簡単なものだが、上下の比率をリアルにコピーできなければ、モニター画面特有の雰囲気が崩れてしまうから、案外難しい。僅かな比率の違いで、こういったモニター画面のようなものでも、雰囲気がまったく違って見えてしまうから、デッサンは大変なのである。


そこでその対比を上手く紙の上に再現する為に、はかり棒などを使って縦横の比率を整えようという訳だ(使い方はホントに簡単だから、リンク先を参照して頂きたい)。


モニター画面よりもずっと難しそうな石膏で形付けられたヴィーナス像をデッサンする場合でも、理屈はまったく同じである。


※ヴィーナス像の参照リンク先→


はかり棒を使ってヴィーナス像のような複雑な物体をデッサンする方法を、リンク先にあるヴィーナス像の写真データーを失敬して、著者が補助線を引いて再現してみたので、参考にして欲しい。(次の写真図である)



現物のヴィーナス像を「はかり棒」などを使って比率を読み取る方法は、この図に引かれた補助線のような形になる訳だが、実際にキャンパスの上にもこのような補助線を引きながらデッサンをする人は少ないので、あくまで絵師が頭の中だけで補助線的な区分をしているのだと考えて貰えれば良いだろう。


見ての通り、引かれた補助線は全て「垂直」と「水平」な角度の直線だけで取り扱うのが普通(基本)だ。


図のように像の左右の目をそれぞれ四角の赤線で囲って、十字に引いた水色の補助線に対して、この2つの四角い枠がどの辺りに配置されるのかを測ったり、左右の目のサイズを比べたり、左目の四角をコピーするように(図中の黄色い四角のように)数多く並べ、鼻や口元のサイズや配置などを調べるのに利用するといった工夫をする訳だ。


これだと絵がどれだけ苦手な人でも、難しいデッサンをする為に必要な方法が案外簡単なものだと感じられるのではないだろうか?


実際にプロアマ含め、本業の絵師が扱う本格的なデッサンの技法は、これだけ素朴で単純なやり方に過ぎないもので、本当に簡単なことなのだと思う。


つまり、考え方が逆なのかもしれない。


本質的なデッサン力を身に付けている絵師は、これだけ素朴で単純過ぎる技法に準じた補助線などを、正直に書き記す仕事に徹しているだけで、何も難しいことをしようとはしていない。


そして絵が苦手な人は(これとは逆に)上手にデッサンしようと、持って生まれた先天的なセンスなどに頼って、ヴィーナス像の第一印象を再現しようと、像の目鼻などをいきなり描こうとするので、返って下手な絵になってしまうという訳だ。


つまり、優れたデッサン能力を身に付けている者は、人が生まれ持っているセンスや第一印象などの間違ったイメージに揺らされず、むしろそうした間違った印象やセンスを完全否定している事になるだろう。


デッサンの技法の本質とは、センスや第一印象による間違った思い込みを一切信用せずに、むしろそれらを間違いだと心底疑い、はかり棒などを使ってその間違いを徹底して否定する作業を行うことなのだ。


(続く)

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