「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

ゴルフショットの方向合わせ(7)

(前の続き)

今回はさっそく本題に入りたいと思う。


文明化された街中での生活に慣れきっている現代人が陥りがちな「重力方向を察知する感覚の衰え」を、フレッシュなものとして呼び覚ます必要があるとして、その為にはどのような事が必要になるのだろうか?


その答えを明かす前に、その特殊なメソッドを紹介する著者自身が、そのような特異とも言える技術を体得しているのかが疑わしいだろうから、そのことについて少し触れておこう。


実のところ、著者はそれを専門にする仕事に従事していた経緯があるので詳しい訳だが、何を隠そうそのメソッドとは、画家などが絵を描くときに用いる「ごく普通のデッサン技術」のことなのだ。


美術関連の授業が苦手だった人もいるかもしれないので、もしかしたら「デッサン」と聞いただけで逃げたくなるのかもしれない。が、ここで扱うデッサンの技術は、あくまでゴルフをする上で必要な要素を取り出して扱うだけだから、(美術が大の苦手でも)まったく心配は要らない。


何も難しい話をするのではない。


例えばスマホを使って写真や動画を撮影するというだけでも、デッサン技術を会得している人とそうでない人との違いは「ある程度反映されている」ように著者は感じる。


三脚などを使ってスマホを固定する場合はほとんど関係ないが、スマホを手に持って撮影する場合、デッサン技術を体得している人は無意識的に重力方向を察知して、撮影画面の構図を微調整するので、(他の人との)差が出やすい訳だ。


といっても、デッサン技術を体得していない人にはピンと来ない話だろう。


特に昨今のカメラ撮影といえば、若い女性が自撮りした写真をインスタグラムなどにUPする時代で、そこで必要とされる撮影テクニックも(よい写真を撮影するのではなくて)自分の顔をより小さく魅せることだったりする為、重力はその為に利用するアイテムのひとつに過ぎなくなっている次第である。


まあ自撮りも大いに結構なことだが(←50過ぎのジジイの意見)、ゴルフをする上で必要なのは重力方向を敏感に察知することだから、インスタグラムでの写真撮影テクニックはほとんど役に立たないとだけ書いておこう。


動画撮影なども、両手にスマホを持って撮影する場合は差が出やすい。


つまりゴルフスイングを指導するために動画を撮影すると、被写体になっているゴルファーの腕前だけでなく、撮影している人の腕前も同時に披露されている格好になる為、ダブルスタンダードな行為に及んでしまう可能性も出てくる位だ(被写体より撮影者の方が下手だったりする場面にしばしば出くわしてしまうという意味)。


ユーチューブなどでUPされているゴルフ動画を見ていると、動画撮影し慣れているユーチューバーの方が(専門のゴルフ指導者より)ずっと優れた資質を示しているケースによく出くわす。


しかしこの場合でも、見た目のスイングフォームなどに反映されていないケースが殆どだから、ユーチューバーがゴルフをする場合、初心者だと思って舐めていると、将来的に立場が逆転する未来予想図も描かれてしまうので、注意が必要だ。


特にグリーン周りの撮影でその差が強く反映されるから、グリーンの読みが優れている人がグリーン面を撮影すると、画面越しにでもラインが見えてくる場合があるから不思議なものだ。


つまり、ここで扱うべき「デッサン技術」の要素は、実際に絵筆を手に取ってキャンバスにリアルな描写をする「画工技術」と、スマホなどで気軽に写真や動画撮影をする際、画面構図などに反映される「撮影技術」とが、意外なほど密接に関係している部分にあるといえるだろう。


だがこの事実はあまり一般的ではない(殆ど知られていない)。


もちろん絵の構図の妙は甲乙付けがたいもので、例えば漫画「北斗の拳」の立ち方はデッサン的にOKで、昨今有名になった「ジョジョ立ち」はNGとなってしまうとしても、「ジョジョ立ち」の絵は絶妙で、世界的なアート作品としての地位も確立している。


よってデッサン技術の良し悪しがそのまま絵の価値としてイコールではないこと位、先刻承知で、その点での(著者への)ご指摘もまったく不要であると断っておこう。


ただこのブログで取り上げるのは、あくまでゴルフショットの方向取りをする上で必要な「デッサン技術の要素」だから、その絵が世界的に認められているアートであるかどうかといった視点は、この際、まったく無意味なものであると割り切って頂きたい。


専門的に言うなら(一般的に女性の方が得意にしている)「平面構成」と呼ぶ技術分野があって、ここで扱う「デッサン技術」と相容れない要素のひとつに数えられるだろう。ジョジョ立ちの奇妙な構図は、正にこの「平面構成」の技術が巧みに面白く、アート的であると言える。


実際に本来の芸術の「王道」は平面構成や着想の奇抜さが重要だとされがちで、デッサン技術の技巧にあまり重きを置かれていない。今後デッサン技術が羽ばたける分野としては、VR技術との関連性に限られるかもしれないが、まだ残されている分野としてスポーツ関連の技術との関連が予想される。


このブログのゴルフ技術がまさにその道を行っている訳だが、スポーツ分野とデッサン技術の関係は、まだまだ産声を上げたばかりの荒地が広がっている状況で、開拓の余地はふんだんに残されていると言える。


これまで軍事分野にだけ特化していたリアルシミュレーターが、VR技術の発展によりプロ野球界に注目され始めているニュースを見たことがあるが、ゴルフ技術の育成にこのVR技術が生かされる時代もすぐそこまで来ているかもしれない(楽しみ!)。


芸術の分野では完全に見捨てられた感のあるデッサン技術は、VRや仮想空間の分野で再び脚光を浴びているのかもしれない。


(続く)

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