「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

「ゴルフの基礎理論」~身体制御の基礎知識~(3)

前回と同じく、ちょっとした実験を行ってみよう。


茶碗や野球のボールのように、片手の中に納まる大きさの物を2つ用意して欲しい。出来れば同じ複製品が良いが、ほぼ同じ大きさのものなら、違うもの2つでも構わない。そして用意した2つの物をそれぞれ左右の手にひとつずつ持って、次のことを試して欲しいのだ。(メチャクチャ簡単であるから心配いらない)


右手で持っているものを(貴方の右目の視界を塞ぐように)右目の前3センチほどに近づけ、左手で持っているものを、貴方の左目から出来るだけ遠ざけるように、左手を伸ばして、より遠くに配置して欲しい。


今、貴方が左右の手に持っている物の大きさは同じだし、右目の前に近付けて配置した物も、左手を伸ばして(左目から)より遠ざけた物も、その大きさに変化は起きていない筈である。


(当り前だと思われるだけかもしれない。)


確かに物理的な大きさや重さに変化が生じている訳もなく、貴方が手の平の中で感じているものの触覚や重さにも変化が起きていない筈だから、それが当然の事実なのであると思い込むのは自然な事だろう。そして、そこまでの解釈は真に正しいとも言える筈だ。


だが、貴方の視界の中に限定してみれば、話が変わってくる。左右の手でそれぞれ持っている物は、明らかに、という言葉では足らない程の「格差」が生じている筈なのである。


具体的に言えば、右目の前に近付かせている右手の物は、左手を伸ばして目から遠ざけている(左手の)物より数段大きく視野の中に映っている筈だ。




「いやいや(笑)、それは大きく見えているだけで、実際は変わらないですよ」


常識的な大人なら、こんな感じでほくそ笑むような呆れた反応になるだろう。


事実として、貴方の視界に映っている像は確かに左右で大きさが違っているが、物理的にものが巨大化する変化など起きていないし、そんな奇妙な現象がある筈もないという「大人の常識」もある。その考え方に高校の物理の先生だって賛同してくれるに決まっている。さらに手の平の中で物が急に大きく膨らんだり、小さく縮小するようにも感じられていないという「確かな実感」も備わっている。


疑いようのない事実がその解釈を正しいものとして認識させている。


これが「大人の常識」である。


ところが「事実として」と言うなら、貴方の視野の中で「左右の物の大きさが確実に違ってしまっている」という現象も、事実のひとつとして数える必要がある筈なのだ。


貴方が右手の中で感じている物の大きさに「何の変化も感じられない」という理由だって、「右手に持っている物が巨大化するのと完全に同期するように、貴方の右手も巨大化しているからである」という立派な解釈も成り立つという事実すら、貴方は数え忘れている可能性が残されている訳だ。


これまでの人生で貴方が「現実」として認識してきた、視野の中に映し出されている「あらゆる現象」は、紛れも無くそのような「大きさの変化の法則」に従って感じ取られていた筈なのに、貴方は大人の常識でその事実から目を背けていたのかもしれない。


これまでの貴方は「物の大きさは変化する筈がない」と決め込んで、それが真実であると思い込んでいただけではないだろうか?


右手を右目の前に近付けたら、「右手」も「右手の中に持っているもの」も巨大化しているというのは、真に正しい認識である。それとは逆に、左手を左目から遠ざけるように伸ばしたら、「左手」も「左手の中に持っているもの」も縮小化されてしまうという現象も事実であると言える訳だ。


貴方の目(あるいは頭と解釈しても良いだろう)に近寄った「あらゆるもの」は巨大化し、遠ざけると縮小化されるように認識しているという「真に正しい認識」、


これが「パース理論」である。


これまでの貴方は、目の前に近付かせたものが巨大化している変化があったのにも関わらず、その事実に気が付けなかった。


その理由も「人間のあらゆる触覚を伴う器官が視野の中で巨大化したり縮小化するから」という理由で、論理的な正しさを保つことができるのである。


例えば、地球はいつでも自転している訳だが、私たち人間の体と周りの風景などのあらゆるものがその自転運動に完全に同期している為、私たちはその回転運動を感じ取ることが全くできないのと同じ理屈である。


でも、貴方はたった今、貴方の認識がパース理論的に変化している事実を知ったので、大きさが変わっている事実を素直に受け入れられる状態へと、認識が一変してしまった筈である。


(続く)

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