「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

「制御系」~ゴルフスイングを彩る「未来予測」の技術~(14)

PDCAサイクルという言葉をご存知だろうか?


PDCAサイクルはPlan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)の頭文字を取った、企業の品質管理方法のひとつである。


内容は小学生の高学年程度で理解できる程度の簡単な仕組みである。


というのは、普段私たちが毎日のように繰り返し何かを行う機会があるとしたら、必ず私たちはその事柄について「何らかの成長」を願うものだからである。


例えば、長年ゴルフに取り組むとしよう。すると取り組んだ年月に応じたゴルフの腕前が欲しいと誰もが願うものなのである。できる事なら、その上達速度も(想像される)平均的なものより少しぐらい早いことを望んでしまうのである。


仕事でも勉強でもスポーツでも、私たちが何かに取り組む時に、そういった成長への飽くなき欲望は沸き起こってしまう。だからきっと私の体はそうした成長への意欲を生まれ持っているような進化を遂げているのだろう。


ところが、特に仕事のように毎日漫然と取り組みがちになるような事柄については、よほど意識的にでもならない限り、そういった成長への意欲は減退して、マンネリ化した「何事も無い日常」が最善であるかのように感じるオッサン化を果たしてしまうものでもある。


PDCAサイクルは、そういった人が生まれながらに持っている「成長への意欲」をシステム化することで、(オッサン化を防いで)永続的に保とうとする目的で作られた仕組みである。


よってその原理は、人が成長しようと願って努力し続けている状態なら、ごく普通にその場で起きている現象を包括するような内容になっている。


具体的に説明しよう。


まず人が何かを行うとする。すると(もっと成長したいと願って)改善の策が思い浮かぶ。


そこで思いついた改善策を練りこんだPlan(計画)を立てて、とりあえずそれをDo(実行)してみる。もちろんそれによって何らかの結果が出る筈だから、それをCheck(評価)してみて、打ち出した改善策の効果を推し量る。


往々にして、ひとつの改善策で万事完璧な結果になるほど、あらゆる物事は簡単にいかない(特にゴルフは・・・)。だから改善策はまったく効果が出なかったり、時に裏目の結果に甘んじる場合が殆どとなるだろう。


だが人は1回程度の失敗では絶対にめげない。失敗への怒りをエネルギーにして、人は不服に感じる部分の改善を目指して、更なるAct(改善)を練りだしてしまうものである。 


⇒ここで再び最初のPlan(計画)に戻り、これを繰り返すサイクル化したシステムを組む。


これがPDCLサイクルの原理という訳だ。


なんだ簡単というか、そんなの当り前じゃないか?と疑念すら感じるような簡単さであるだろう。というより、むしろそのように感想を持つ方が正真正銘の「PDCAサイクルの本質」を掴んでいる事実を示すというのだから、これは人を馬鹿にしているのかと怒りすらこみ上げてくる程度の簡単さだとも言える訳である。


何故PDCAサイクルが、人が成長を願うにあたって当たり前に出現するサイクルなのかというと、人間は誰しも生まれてから2本足で立ったり歩いたりするようになるまでに、このPDCAサイクルじみたものを経験している、という説が有力だろうと思われる次第である。


愚直な表現にすれば、PDCAサイクルとは「失敗を繰り返す中で、体で覚えよ」というだけのものでしかない。だから、愚直だと感じるのは、PDCAサイクルが人の体に備わっている脳神経の機能とあまりにも密接な関係があるという事を示す証拠だとも言える。


例えば人が歩こうとする場合、神経組織は「センサー」として機能して、脚が動いた際のあらゆる感覚を「脳」へと伝える。


「脳」はそうした神経センサーの情報を元に、次に脚の筋肉をどのように動かすべきかのPlan(計画)を練り、その結果を筋肉へ命令する役割の神経組織を使って、脚の筋肉をDoする(=動かす)。


脚が動いた後の(外界の)結果を再びセンサー役の神経組織群がCheck(察知)し、その結果を脳へと伝える。結果を受けた「脳」は色々と微調整して、そのAct(改善案)を練り出し、新たな命令信号を神経組織群を使って脚の筋肉へと伝える。


こうした人体に備わったPDCAサイクル的な成長システムを使って、人は体中に張り巡らされている筋肉群を巧みに操れるようになり、他の動物にはちょっと真似出来ない、2本足での歩行や走行、あるいはもっと複雑なスポーツの運動すらもこなせるようになる訳である。


よってゴルフスイングもPDCAサイクルの原理で行われる「連続した筋肉の制御運動」であると言える。人が動くと、意識するしないに関わらず、「センサー」と「制御(筋肉への命令系)」が密接な関係性を保つ連続した運動の中にあると考えねばならない。


(続く)

×

非ログインユーザーとして返信する