「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

「制御系」~ゴルフスイングを彩る「未来予測」の技術~(12)


(前の続き)言葉の定義がそれなりに済んだので、次は肝心の中身である。


ここでもう一度「未来予測」の文面を読み返してみよう。


①バックスイングで発生するフィーリングは、ダウンスイングする際に必要なフィーリングである。


既に定義し終えている読み方でこの文面を読解してみると、バックスイング(=アドレスの位置にあるクラブヘッドを、ボールから(直線方向へと)遠ざける動き)をする際に発生するフィーリング(=手の平の中で感じ取られるゴルフクラブの感触)は、ダウンスイング(=スイングのトップ位置からクラブヘッドがボールに向って近付く動き)に必要なフィーリング(=手の平の中で感じ取られるゴルフクラブの感触)である。


余りにも複雑すぎるので(笑)、不要な単語を無くして意味だけの文にしてみよう。


アドレス位置のクラブヘッドをボールから遠ざける動きをする際に、ゴルファーの手の平の中で感じ取られる「ゴルフクラブの感触(=情報)」は、スイングのトップ位置からクラブヘッドをボールに当てようとする動きの中で、手の平の中で感じ取られる「クラブの感触」である。


はあーーー!!?? (怒)


これでは使えない翻訳機の文章みたいで、さっぱり意味が分からないとお怒りになるかもしれない。実はこの文面を読み解くには、フィーリングについての知識が不足しているのだ(早く言えよ!)。


不足しているのは、「フィーリング」が大きく分けて2つの種類に分けられるという知識である。


文面の最初に使っているフィーリングは「クラブの動きを触覚で感じ取る」という意味の、いわば「センサーの役割」として使っている言葉である。


それに対し、その後に出てくるフィーリングという言葉は「クラブを動かす力加減」の意味として使っている。


フィーリングが2種類に分けられるという原理は、プレステのゲーム機の仕組みなどを考えると(機械的になって)分かりやすいと思う。


著者の家庭にも最近プレステ4が購入され、超リアルな最新レースゲームやみんなのゴルフなどを満喫している最中であるが、昔のファミコンと違って(笑)今のゲーム機はとてつもなく高性能に進化しているから、遠目だとゲームのレース画面を実写と見紛う程である。


最新のプレステ4などに代表されるゲーム機は、CPUやメモリーなどによって計算処理された結果を電気信号として、(配線コードなどを伝って)液晶モニターへと伝送する仕組みになっている。電気信号を受け取った液晶モニターは、その信号を映像や音として出力し、ゲームプレーヤーにゲーム状況として(写真と見紛う)リアルな表現をする訳だ。


このようなゲーム機から出力される電気信号を「センサーな役割」と分類するなら、今度は(それを見た)ゲームプレーヤー側がコントローラーのボタンやスティックを操作した動きの情報を、電気信号に変換して、ゲーム機側へと送る番である。


ゲームプレーヤーがコントローラーを操作した情報を(電気信号として)受け取ったゲーム機は、その情報を含めた計算処理を再び行い、その結果をモニター画面へと送る。これが1秒間に何十回、あるいは何百回もやり取りされて、ゲーム機によるリアルな仮想空間が導き出されるのだ。


私たちの体にもこれと似た電気信号による情報のやり取りがある。


私たちが動く場合、自分の体中にある筋肉を動かす訳だが、実際は筋肉を動かす前に外界の情報を得ているのだ。具体的に言えば、目や耳や肌の触覚の情報を(つまり外の世界の情報を)神経組織を伝って脳へと送るのだが、そういった雑多な情報を得た脳は、高度な計算処理して外界の状況を理解しようとする。そして(必要となる)適度に加減された電気信号を、別の神経組織を伝って体中にある筋肉へと伝える。


こういった仕組みで私たちは筋肉を動かし、歩いたり仕事している訳だ。


実際に筋肉組織の内部に入り込んでいる神経組織は、脳から出力される命令系の信号を受け取る役割を担うだけで、つまりその筋肉を傷めて「痛い」と感じるなどの「触覚情報(=センサー)」は、筋肉組織を動かす命令系とは全く別の神経組織を使って、センサー情報を脳まで伝える仕組みになっている。


よって「フィーリング」は体の筋肉組織を動かす「命令系」の役割と「センサー」としての役割に分けて考えねばならない事になる。


実際にゴルフスイングをするのは人間だから、人が筋肉を動かす神経組織の仕組みと、ゴルフスイングの技術論は、密接に関係していなければならないのだ。


という訳で、フィーリングには2種類あり、著者が「未来予測」の文面で使うフィーリングもこの2つの意味のどちらかに限定されている、と理解を深めなければならない訳だ。


確かにゴルフでスイングをしていると、ゴルフクラブの重さや体全体の動きなどが調和されて、ゴルファーはその複合された感覚を全身で感じ取っている。そういったスイング全体のフィーリングを参考に、もっと良いスイングにしようとあれこれ研究や練習に努めている訳だ。


フィーリングを感じるのも体なら、動くのも体であるから、一見するとこの2つは同じものに思えてしまう。


なので、ゴルファーが「フィーリング」と口にする時は、大抵の場合センサーとしての意味と、筋肉を動かす「力加減」としての意味を混合させたニュアンスで使っているものと考えられる。(つまりゴチャゴチャなのだ)


ゴルフグリップに戻って考えると、ゴルファーはグリップからクラブが動く感触の情報を得るのと同時に、両手を使って運動エネルギーを与え、クラブを動かす操作をこなしている。


故に多くのゴルファーはゴルフグリップに対しても、2つの情報が密接に関係する往路のやり取りによって導き出される総合的なものだとは意識していない状態で、大抵の場合この2つは混合されて「ひとつのグリップにあるフィーリング」として扱ってしまっているというのが実態である。


(続く)

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