「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

ゴルフショットの方向合わせ(14)

(前の続き)

ゴルフ競技では長さの違う14本のゴルフクラブを使う。全部長さが違う道具だから、それぞれの番手ごとのボール位置も全て異なった配置となる。さらにコース上の99パーセントには傾斜が設けられているから、この競技におけるボールの配置パターンは無数に存在することになるだろう。


水平な床の上に限定したとしても、基本的なボール位置は14パターンあることになる。


ゴルファーから見て、その基本的な14パターンの打つべきボール位置は全て中央付近に配置されることになるから、パース理論的に解釈するなら「1点透視図法」の関係性だと言えるだろう。



「1点透視図法」といえば、このブログではいつもこの「線路の写真」を持ち出すのだが、この写真に見て取れる「平行に敷かれた2本の線路」に着目して欲しい。


この写真で2本の平行な線路は「完全な直線」として、写真中央付近に想定される消失点に集合する形となっている。写真に映る2本の線路からも、実際に線路は平坦な地面に対し直線的に配置されていることが伺える(恐らく間違いないだろう)。


つまり事実上の線路は「直線」として床に設置されているし、写真を見る限りでも、線路の構図は「純直線的」な振る舞いを見せている。


だから、パースの専門的な知識が無い人がこの写真を見ると、線路は直線として認識されている通りのものであると、間違った思い込みに走り勝ちになってしまうのである。


パースの専門知識がある人なら、写真に映る線路は「純直線的」な構図で配置されていないことを知っているが、そうでない人が見れば、写真に映る線路は見ての通り「直線的なもの」となってしまう訳である。


ここで再び、前回の話で紹介したコップの写真を見比べて欲しい。



写真3枚は、上からサンドウェッジ、7番アイアン、最後が最も遠くに配置されるドライバーのボール位置として撮影したものである。ボールは3つとも水平な床の上に配置しているので、これら3つのボール位置は「1点透視図法」の範囲内ある関係性があるものと見て間違いないだろう。


3枚の写真に映っているコップの水面が全て「完全に水平な状態」であることに疑う余地は無い(→ある意味、それを証明する写真になっている)。


だが写真に映るコップの構図は、それぞれ違った角度になっているのである。


つまりこの3つのコップを見比べてみると、一般的な人々が「線路の写真」などからイメージされる「純・直線的な構図」が疑わしいものであることが、ハッキリしてしまうのである。


同じ水平な面である筈の3つの床が、なぜゴルファーから遠くなる程、違った角度として変化してしまうのだろうか?


これらの関係性をスッキリ理解するのには、階段の構造を考えてみると良いだろう。


論より証拠、階段の写真を見てもらおう。



ご存知の通り一般的に階段は、それぞれ段ごとの角度は全て水平で、面積も全て同じに設計されている。


ところが写真にある通り、リアルな階段は1段ごと違う平面積と角度があるように見て取れる。なぜリアルと言ったのかというと、本当に自分の足元に近い段ほど広く、遠いほど狭くなっているからだ。


例えば階段の上の方になると目線と同じか、それより高くなるので、そこから上の段はまったく見えなくなる。これら水平な面がもっと高くなると、天井のように面の裏側を見る構図になる訳だが、それらの関係性の違いも全て「リアルな現象」であると言い切れるものである。


よって(コップの写真で示したように)ゴルフ競技におけるボールの配置ごとに、同じ水平な床の面でも、全て違った角度や面積に見えてしまうというのも当たり前の事なのだが、一般的な人々が「線路の写真」のような構図でイメージすると、線路が純・直線的なものであるという錯覚を覚えてしまう訳である。


(一般的なゴルファーの多くも、クラブの番手ごとに、ボール付近の床の有り様が全て違っているとまでは思っていないだろう)


これは以前UPした「線路の写真」の関係性を分かりやすく示した図だが、この図で分かるように、より遠くの箇所を見るほど、目線が上の方に上がっていく法則が理解されるだろう。


これと同じ理屈で階段について説明すると、次の図のようになる。



階段の上の段ほど、目線の角度が上に上がるが、それと地面との角度の関係性が、図で示すような形になることが理解できると思う。これはつまり、階段の見え方と、線路の写真のような構図が、同じ構造の中にあるという意味になるのだが、


このことについて少々話を急ぐと、コップの中の水面とボール付近の地面との関係性も、これとまったく同じ理屈として、説明ができてしまう訳である。(下の図を参照して頂ければ分かると思う)



(続く)

ゴルフショットの方向合わせ(13)

しばらくぶりの更新だから、少しだけ内容を復習しよう。


ゴルファーが方向合わせの重要性に気が付くのは、それなりのボールが打てるようになってからだ。ボールが打てるようになると飛距離が伸びるから、それまで届かなかったOBゾーンやバンカーにまでボールが届くことが多くなり、次第にゴルファーはショットの方向合わせが重要だと気が付く、という順序がある訳だ。


ゴルフをしたことが無い方にはピンと来ないことかもしれないが、ゴルフショットの方向合わせの技術は、ゴルフスイングそのものと直接的に関係しているのである。


つまり素人的な発想だと「真っ直ぐにボールを打てる完成されたスイング」が先にあって、そのスイングでどの目標を狙うのかといった順序でプレーを進めるものと考えがちになるのだが、ゴルファーが真にやるべき順序はむしろその逆で、先に方向性があって、そこからアドレスを作って、最後にゴルフスイングが形成されるのである。


方向性の物理的な原理はこのブログの「ゴルフ原論(1)」で紹介している。見てもらえれば分かると思うが、驚くほど素朴な仕掛けである。では、何故ゴルフがこれほどまでに難しいスポーツになってしまうのかというと、最初に行うべき「方向あわせ」が想像するよりずっと難しいからである。


「ゴルフ原論(1)」でも説明しているように、ゴルフショットを成功させるには、クラブヘッドを目標に対し真っ直ぐ動かさなければならない。だが、ゴルフコースの地面は99パーセント傾斜が設けられているので、クラブヘッドの動かす方向は、その地面の傾斜に強い制約を受ける形にしかならないのだ。


「ゴルフ原論(1)」で紹介したフォーマットを地面の上に敷いて使うものとして考えると、フォーマットが示すクラブヘッドを動かすべき方向は、ゴルフコースにある「地面の傾斜」とほぼイコールな関係があるものと推測されることになるだろう。


つまり「動かすべきクラブヘッドの方向」を知る最有力な手掛かりが「地面の傾斜」だという話に行き着くのである。


もし地面の傾斜を読み間違えれば、その後のゴルフショットの方向合わせは程なく失敗に終わる可能性が高いという訳だ。


ゴルファーが「地面の傾斜」を理解するには、重力の方向を察知する感覚を正しく磨かねばならない。傾斜を察知する感覚は、その重力方向とまったく同じ意味を持つ「水平な面」との「差異」をデーター化したようなものだからだ。


例えば「5度右に傾いた傾斜」であると察知しているなら、「水平な角度」はそれより5度左側に傾けた面なのである。この「右に5度傾いている」という感覚は、その傾斜面を察知すると同時に、それを水平の角度に直した「水平な面」も同時に認識しているという事なのだ。


仮にゴルファーが5度右に傾いている地面を「水平な地面」だと誤認していたら、単純な理屈で言うなら、そのゴルファーが真っ直ぐに打ち出そうとして繰り出すショットは、右方向へ5度傾いた打球に行き着くしかなくなる訳だ。


つまりは「ゴルフショットの方向あわせ」における本質的な能力は、地面の傾斜を察知する「水平な角度を察知する感覚」を養うことと、ほぼイコールなのである。


著者はその水平感覚を、美術のデッサンを学ぶ上で必要な「はかり棒」を扱うことで、知らぬ間に身に付けていた。だが、その「はかり棒」を正しく扱う技術も職人的な仕事のひとつに数えられる類のもので、これをデッサンの素人がそれなりに扱えるようになるまでどの程度の修練が必要になるのかは、著者も知るところではない。


そこで専門的にデッサンの技巧を学んだ経験のない大多数のゴルファー向けに、著者は次のような策を考えたのである。



これは部屋の中の水平な床にゴルフボールを置いて、その付近の床の角度を、水の入ったコップで測ろうという寸法の写真である。


コップの水がこぼれないように、コップの角度を微調整する感覚が、美術で「はかり棒」を扱う感覚とほぼ同じなのである。(もちろんコップを扱う方が「はかり棒」よりずっと分かりやすいだろう。)


最初の写真はサンドウェッジのボール位置で撮影したものだが、これをクラブの番手ごとにボール位置を微妙にズラしてみたのが、次の2枚である。



これは7番アイアンのボール位置の写真だ。



最後の写真はドライバーのボール位置で撮影したものである。


パース理論的にこの意味を解説すると、(写真のように)ボールのすぐ横に配置したコップの水面は、ボール付近の水平な床の角度と完全に一致する。そもそも床の角度というものはとても察知しにくいのだが、水面で微調整されたコップの角度から、それぞれ床の角度の違いを容易に察することができるという訳だ。


ちなみに最初の思いつきでは、コップの水に(釣りで使う)ウキを浮かべる予定だったのだ。精巧なヘラウキなどを使えば、垂直方向がかなり精密に分かりやすくなると思ったのだが、我が家には釣り道具の類が一切無かったので、残念ながらこの案は却下された(笑)。


(続く)

ゴルフ動画(10)

大阪スポーツヒルズに行きました。雲&夕方で逆光マシに撮れました。今回はドライバーショット1発だけUPしました。



ドライバーショット