「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

「ゴルフ原論」~古典的技術紹介~(4)

(前の続き)特にゴルフ練習場で起こりやすい「錯覚」による方向感覚の狂いですが、これを防ぐ手立てはあるのでしょうか? もし無ければ、練習場で練習するだけゴルファーは下手になってしまうかもしれません。


ここで問題になるのは、そのゴルファーの方向感覚がどのようなタイプなのかによって、大きく変わってしまうという理解が先に必要となります。


例えば、アドレスでゴルファーの両足を直線で結んだ「スタンスの向き」が方向の決め手であるという考え方はスタンダードなゴルフ理論だと言える筈ですが、この場合の方向の取り方は、第一に「スタンスの向きの調整」が必要という結論に行き着く筈です。


具体的に説明すると、通常ゴルファーはボールと目標を結んだ直線上に立って方向を見定めますが、この「スタンスの向き」を目標に対して正確にセットする必要があるタイプのゴルファーにとっては、(ボール位置から想定した)スタンスの位置と目標を結んだ直線上に立って方向を取る必要がある訳です。


分かりにくいので、図で説明すると次のような感じになります。




(図面左側のように)このタイプのゴルファーは、まずボールの後方から目標をしっかりと見定め、これから自分がアドレスをする際のスタンス位置を(大体で良いので)目論みます。


次に(図面右側のように)その大体のスタンス位置の後方に立って、目標とスタンスが直線で結ばれるような「方向の調整」をする手間が必要となるという訳です。勿論、この場合の方向確認は、全て片目で行う必要があります。


そうしなければ方向が狂う恐れがあります。


何故「片目で確認する」必要があるのかというと、説明がとても困難なので、とりあえず「地図を作る為の測量」と同じ原理で方向を定めなければ、ゴルフと言えどもダメな結果になってしまうのだと、イメージ的に理解して頂けたら良いと思います。
  ※測量の原理を詳しく知りたい方は、ググって調べて下さい。


スタンスの位置が方向性の決定打となりうるようなタイプのゴルファーなら、この手順でしか正確に方向を定める事はできない理屈になります。


ゴルファーがいつも平坦なライでボールを打てるなら、この方法はそれなりに有効かもしれませんが、往々にしてゴルフは「様々な傾斜のライ」の上で、自在にボールを打たなければならないので、この方法では「あらゆる場面」を想定して対処することは、原理的に難しいだろうと言わざる得ません。


ちなみに、このブログで推奨する方向の取り方は(「いきなり始まるゴルフスイング」の項で触れましたが)、ボールが置かれている「地面の傾斜を観察する」ことから始めるという独特なものになります。


何故「傾斜を観察する」ことから始めるのかというと、それが「方向感覚を狂わせる錯覚」を防ぐ効果を手段のひとつだからです。


(一度試してみたら分かるかもしれませんね)


イメージ的な説明を加えるなら、(地図などを作成する)測量技師は、測量する道具を三脚にセットする際、道具に備わっている水平器で、その機械が「厳密に水平な角度」で設置されているかを確認しながら、三脚を微調整します。


水平に機械を設置する目的は「機械が重力に対して正確に水平回転できるようにする」というものです。方向(=方角)を正確に測る為の機械は、第一に「重力の方向取り」という手間が必要になるという訳です。


ゴルフにおいても厳密に方向を定める原理は、この測量の技法と酷似します。


ただ人が行うゴルフスイングの方向取りなので、測量の水平器にあたる機能としては「三半規管の調整」という目的で執り行う「地面の傾斜を観察する」という手間が必要となる訳です。


目の前のライが傾斜になっているという位なら誰にでも理解できますが、その斜めになった地面の上にゴルファー自身が立っている訳ですから、ゴルファーの骨格全体が歪んでしまって、そのゴルファー自身の三半規管も土台から歪んでしまっている筈です。


これでは戦う前からゴルファーの敗北は決定しているような話です。


ですから「傾斜を観察する」という手間を惜しむ行為は、人に備わっている三半規管が正確な重力方向を察知することが出来ていない状態のままで、ゴルフの方向を定めようとしているようなものなのですね。

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