たまにはゴルフ以外の話を(5)
日付は平成30年の2月12日。今季は極寒の冬で、日本各地で記録的な大雪のニュースが流れている。著者が住んでいる奈良県生駒市でも、今朝は3センチほどの積雪だった。
これだけの寒波だというのに、大阪にある著者の仕事場でセミの死骸が見付かる珍事があった(これは事実です!)。
著者の仕事場でもセミの死骸は珍しく無い。夏になると回収が大変になる位よく見掛けるセミの死骸だが、問題は季節である。
見ての通り、このセミの死骸は完全な形として残っている。
これが何処かの植え込みの影で昨年の夏からずっと死骸のまま完全保存されていたものだとしたら、アリの餌としてバラバラに解体されなかった理由が見えてこない。
仮に植え込みの中で完全保存されていたとして、今年の寒波で猛吹雪が幾度かあったにも関わらず、この死骸はその風では外へ飛び出ず、何故今日の今頃、そこまでの強風でもない時に限って、この街路地へと飛び出てきたのだろう?
「謎」である。
とにかく我が職場で、ささやかだが途方もない「珍事」が発生した。
私はしばし謎解きの手を止めて、この謎で途方に暮れる自分自身の状態を味わうことにした。闇雲に答えを出してしまいたくない感情が沸き起こったからだ。
途方も無い謎があった場合、一気に謎解きを済ませては面白みに欠けるし、多くの場合、ミスジャッジの原因になりがちだから、という合理的な理由もあるが、何よりそれが無粋な態度であるように思えたからだ。
私はのど元まで出掛かった(ありえそうな)答えの数々をグッと飲み込んで、そのまましばらく謎の余韻を愉しむことにした。