「ゴルフをしない私」から「ゴルフをする未来の私」へ

10年前まで月1ゴルファーだった私も、今では月1~2回練習場に行くだけの「ゴルフをしない人」です。経済的な事情で一旦ゴルフから身を引きつつ、それでも遠い未来で再開するのを夢見ているオヤジは、今の日本に大勢いると思われます。そんなオヤジの、遠い未来に再開される自身のゴルファー像を夢見るブログを作ろうと思います。

ゴルフショットの方向合わせ(12)

地面の傾斜については、各々のゴルファーがそれぞれの感性で感じ取る以外に道はない。


そこだけはジャイロセンサーなどの機器に頼ることが出来ない、ゴルフ競技で最重要な要素となりうる部分でもあるだろう。それが最も顕著に現れるのはグリーンの傾斜を読む場面であるが、プロならその能力次第で勝負の行方が決まってしまう場合もありうるだろう。


ゴルファーはショットを打つ前に、ボールが置かれている付近の地面を確認するものだが、アマチュアがラウンドするゴルフコースは難易度設定がかなりやさしいので、ボールがラフに入ってもそれほど気にならないものだ。


もしアマチュアのやさしい難易度設定のコースでプロがラウンドしたら、ボールが相当深いラフに入っても、そこからグリーン上のピンを難なく狙えってしまう場合も少なくない(←最近、そういう場面をネット動画で見た)。


そんなやさしいコースでしかラウンドしない私たちアマチュアゴルファーにとって、コース上で最も難しいハザードと言えばバンカーになるかもしれないが、多くのプロにとってバンカーは最も簡単なハザードだと言われがちだ。


だからアマチュアゴルファーがゴルフをする環境において、ボールが置かれているライの状況は、それほど観察に値する意味を成さないのかもしれないが、地面の傾斜についてだけは、かなり精密に観察した方が良いと著者は提言したい。


特にプロと違って、慢性的に練習不足がちなアマチュアゴルファーは、より集中して傾斜を観察すべきであると言いたい。何故なら、精密に地面の傾斜を観察しようとするゴルファーの身体には、とある変化が生じるからだ。


実際に「はかり棒」を右手に持って、観察対象である床に垂直な方向を示すよう、目の前にかざしてみて欲しい。


やってみれば直ぐに分かると思うが、10センチ程度の短い「はかり棒」を目の前にかざすという行為は、それなりに難易度の高い仕事であると気が付くだろう。


プロの画家が精密かつ流暢に絵筆を動かすような高等テクニックまでのレベルではないものの、それなりに身体を精巧にコントロールしなければ、「はかり棒」が垂直方向を静かに指し示す格好にはならない。


精密に垂直方向を指し示すように「はかり棒」をかざすことに成功するなら、その時点でそのゴルファーの心身の状態は、かなり良好な状態へと変化している筈なのである。


例えば、貴方が怒り心頭でイライラしていたなら、「はかり棒」を静かに前に指し示すような簡単な身体操作でさえ、なぜか難しく感じてしまう筈だ。(もしそんな心身の状態のままでパットでもしようものなら、失敗する確立が高くなって当然なのである。)


ただ目の前に10センチ足らずの細長い棒をかざすだけでも、身体操作という意味で言えば、それなりに難易度の高い技術が必要とされる訳である。



さて、実際に(写真のように)「はかり棒」で傾斜を測ってみると、観察する対象の地面が、場所によって雰囲気がまるで違ってしまうことに気が付くことになるだろう。観察する貴方の「目」と「はかり棒」と「地面」の位置関係によって、見え方に大きな違いが生じてしまうからだ。


日本国内の平均的な部屋の中なら、床はかなり精度の高い水平な作りになっていると信頼できるから、「はかり棒」でどの部分の床を測っても、精密に水平な床になっていると考えるべきである。


つまり、精密に水平だと分かっている床をわざわざ「はかり棒」で精密に観察するという行為は、観察者の「目」と「床」と「はかり棒」との位置関係を現す指針を観察する意味でしかない訳だ。


これは「ゴルフショットの方向合わせ(8)」で伊能忠敬の話をした時に、北極星を測量の道具で測る意味を書いたが、その理屈と良く似ている。


観察者の「目」と「床」の位置関係が重力方向に近ければ近いほど、(つまり重力方向と目線がより平行に近いほど)床の面積は広く見えるだろうし、目線が重力方向より上向きになるほど、床が狭く見えてしまうことになる。



だから写真で示すように「はかり棒」と床との角度が広ければ広いほど、目線は重力方向に近い向きなのだろうと、分かるだけの話だ。(精密に水平な床を観察して分かるは、既に分かっている床の水平な在り様ではないことは当然だ。)


それでは、ゴルフをする上での観察者、つまりゴルファーの「目」の位置や「はかり棒」の位置はどの程度に重要なのだろうか?


実は、これらの関係性はゴルフ競技をする上で、あまり重要ではないのだ。


当たり前といえば、当たり前だ。目の位置の違いということは、ゴルファーの背丈が違っても変わるという話になる訳だが、そのようにゴルファーによって床の角度が違って見えることが、ゴルフの内容に本質的な違いを与えるという理屈は、ほとんど成り立たない。


つまり、どうでも良い変化だという結論に到る訳だ。


(続く)

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